陸州の徳一宛に密教経典35部の書写を依頼する書 その3
(弘仁6年(815年) 4月5日 空海42歳)
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(本文)委曲、別に載す。嗟(ああ)、雲樹長遠なり、誰か、企望に
堪えむ。時に風雲に因って金玉を恵み及ぼせ。謹んで状を奉る。不宣。
四月五日 沙門空海状して上(たてまつ)る。
陸州徳一菩薩謹空
名香一裏、物軽けれども誠重し。撿至(けんし)せば幸となす。
重空。
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(訳)詳しくは別に記載いたしました。ああ私と徳一菩薩は遠く離れて
おり、雲と樹のごとく蜜に」交わることもできません。しかし、その思
いを望まぬものがありましょうや。風雲に寄せてでも御返事をいただけ
ることを願っております。
四月五日 沙門空海しるしたてまつる。
陸州徳一菩薩謹空
名香一包で軽少ではありますが、誠意のあるところを察していただけ
れば幸いに存じ上げます。
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高野雑筆集 陸州の徳一宛 弘仁六年四月 その3
空海 高野雑筆集 
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