スポンサーリンク

高野雑筆集  嵯峨天皇宛 弘仁七年八月 その6

スポンサーリンク
空海 高野雑筆集  
スポンサーリンク

嵯峨天皇より屏風に揮毫を命じられてそれを献上したときの
上表文。 その6      (弘仁7年(816年) 8月15日 空海43歳)
*******************************************
(本文)又夫れ右軍、功を重ねて猶未だ其の妙を得ず。衆芸沙(しゅげ
いいさご)を弄んで、始めて其の極に会(かな)へり。自外の凡庸、何
ぞ点画の奥を解(さと)らむ。何(いか)に況(いわ)むや、空海、耳
に其の義を聞くとも、心に理を存せず。空しく筆墨を費やして、忝(か
たじけな)く珍屏を汚す。一たびは慄(おのの)き一たびは懼(おそ)
れて心魂飛越す。
—————————————-
(訳)王義之は多くの優れた業績をなしましたが、まだなおその極みに
達しておらず、すべてに精通しているとされる衆芸童子は無限の修練
を重ねてやっとその極に達したのです。凡庸なる人がどうして点画の
極みなどに達することがありましょうや。この空海は書の意義を聞い
ただけでありまして、心にその道理があるわけではないのです。ただ
筆と墨を浪費してかたじけなくも高貴な屏風を汚しました。おそれ、
おののき心臓が飛び出すような思いです。
*******************************************

コメント