第十住心 秘密荘厳心(ひみつそうごんしん)
いよいよ秘蔵宝鑰の最後の住心です。
「九種の住心は自性なし。転深転妙にして皆、これ
因なり」
いままでの九つの住心はそれ自体は意味が無く第十住心
秘密荘厳心の要因であるとしています。だから意味がなく
ても第十住心、秘密荘厳心の外にあるわけはなく中にある
説明要素なのだろうと思います。
「真言密教は法身の説、秘密金剛は最勝の真なり。」
真言密教は真理そのものである法身が説かれるのであるが
金剛のごとき秘密の世界はもっとも優れた真実である。
「数限りないわが仏は心の仏であり、大海の滴(しずく)
ほどもある無数の金剛部、蓮華部などの菩薩たちは、また
わが身(からだ)である。
あらゆるそれ自体の性がわが心身にすっかり備わってい
る。だから現世で立派な仏となることができる。」
人として生まれてきたことが、もうすでに仏になることが
できる状態であるということでしょうか。
ここの部分で私が思ったのは般若心経の前段から中段までは
無と空を説いていて、あれも無、これも空だといっています。
しかし中段以降の以無所得故菩提薩垂 依般若波羅蜜多
以降は180度方向が変わって(得ることもないのだから悟り
を求めている者は知恵の完成に住する:花山勝友先生訳)
悟りを求め修行するものは、すでに知恵の完成の中にいるの
だと般若心経はいい、最後まで修行するものを猛烈にまるで追
い立てるように後押ししているのとよく似ているような感じが
しました。
さらに空海は続けます。
「すべての人は金剛薩埵(大日如来の教えを受けた菩薩)で
あるがむさぼり、いかり、おろかさに縛られている。だから日輪
月輪の観想をすることによって修行する。」
空海自身もすべての人は修行によって菩薩になれるとしていま
す。なかには修行しなくてもまれに菩薩のような人もいますが、
正しく修行すれば誰でも菩薩になれるということは有難い事だと
思います。
今日は6年に一度の月食です。そういえば虚空蔵求聞持法は
月食の日を最後の百万遍の成満の日としなければいけなかった
なと思いながら月食の月を見ています。


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