世界的な宗教が王朝と結びついているこれらの宗教が
全てインド以西の西南アジアで生まれているのはどうい
う事なのでしょう。特にインドで生まれた仏教を除くと
その全てが西アジアで生まれています。
特にキリスト教とイスラム教は歴史的、そして地球規模
で見れば同じ所から出ているような感じがします。
空海は時の王朝と宗教が密接に結びついていることをまざ
まざとみるのですがこれが後に真言宗というより空海と天皇
家の関係につながっていき、それは現在でも続いています。
最澄に関して
唐に着いた最澄はまっしぐらに天台山に向かいます。
最澄はきまじめで純粋な最澄の性格(本当に最も澄んだ人)
でしょう。
空海はというとは梵語を習うとして般若三蔵に師事するの
ですがもうすでに梵語は知っていたような感じがします。恵果
の門弟は千人を超えるということであり、遣唐使の留学生は
期間は20年ということです。
空海は普通の事をしていたらとても恵果から密教の法を譲ら
れないことは計算はしていたでしょう。そして20年の留学期
間後に遣唐使船が自分を迎えに来るかどうかもかどうかも分か
りません。これにはついに日本に帰れなくなって唐で高級官僚
になった没した阿倍仲麻呂のこともあったでしょう。
ならばどうするか。
恵果のいる青竜寺の門をたたかずに何と逆に恵果の方から会
いに来るにはどうしたらいいか?自分の評判を高めるにはどう
すればいいか?よほどの自信がないとこれはできません。梵語
の出来や密教の理解・解釈がもうすでに群を抜いてひょっとした
ら部分的には師となる恵果以上である事を恵果の周りに示すこと
が一番の近道でないかと考えたと思います。そうなると、これは
推測ですが恵果の周りの友好関係を調べたかも?
この異国の異能の青年の評判は次々に伝わり恵果の耳に届くま
でにはそう時間はかからなかったと思います。
空海は長安の城中で偶然、恵果に会ったとされていますがこ
れは空海が仕組んだというよりも恵果の方から見に来たのかもし
れません。
そして驚く事が起きるのです。
恵果はこの異国の青年を一目見るなり「待つこと久し」すべ
てをお前に譲ると言ってしまうことです。
この辺は空海の計算通りだったかもしれませんが門弟千人と言
われる弟子はどうだったでしょう。
「師よ、あなたは何と言われるのだ。初めて見る人間に法のす
べてを譲るのか?」これには弟子のすべての人が驚いたのは共
感できます。そして恵果はその後、空海に3ヶ月で密教のすべ
てを譲ってしまうのです。
こんな事がありうるでしょうか?
当然、恵果の弟子たちはおもしろくありません。ここに珍賀と
い人が恵果に文句を言うことになります。しかし翌朝、この珍賀
という人が空海の元にやってきて、自分の非を詫びます。という
のは文句を言ったその夜の夢に四天王が現れ、珍賀を踏んだり
蹴ったりしたというのです。この話は空海が弟子に語った事を
弟子達が後に纏めた御遺告(ごゆいごう)という話に出ているそ
うです。
密教の正嫡となった空海はお礼の意味で盛大な宴会を主催し
なければならないのですが、五百人もの大宴会であったそう
です。この費用はどこから出たのか。
一介の留学生の身分では負担に耐えないものでなかったか。
師の恵果が出したのか?いやそうでは無かったのではない
かと思います。三教指帰を書いた20歳ぐらいの時にすでに
パトロンとなるような人がいることをその序に書いています。
日本から福州に漂着したとき長官の閻済美を驚かした文章の持
ち主は詩文の交換その筐底にあふれんばかりとされています。
長安でも文人名士との交際は忙しい間にもあっただろうと思い
ます。ここでもおそらくはパトロンとなるような人があったよ
うに思えます。高野雑筆集を見ますと、ことあるごとにお礼や
見舞い、気遣う手紙を丁寧に書いています。詩文の交換などの
饗宴に喚ばれれば必ず参加したのだろうと思います。
またその才も並みの文人、教養人以上のものだとすると長安
の知識人、教養人は空海をほうってはおかなかったでしょう。
これが人が人を介して後に恵果に伝わり恵果の好奇心を引く
ことになったように思われるのです。
そうなるとこの誰かわからない人(たち)が空海をずっと長
安に滞在中面倒を見てくれたのではないかと思います。
なにかそうさせるような思いをもたせるような人だったので
しょう。
そうでないと五百人もの宴会、恵果へのお礼、教典の筆写そ
して密教の正嫡者たる証の法具、曼荼羅などの絵画。密教の
場合はその法具に金、銀をふんだんに使うもので他の仏教とは
いささか違います。
真言宗のお寺に行ってみますと主座の上の天蓋はきんきらき
んのものであり絵も人物などの肌は肉色のピンク色です。
これが仏教かと思うような感じはあります。その法具、仏具
絵画そして仏典写経にと途方もない金がかかったはずであり
これをどうやって調達したのでしょうか。
不思議と言わざるをえません。これが空海の魔術師たる所以
です。

コメント